特定健康診査とは
国のメタボリックシンドローム対策の柱として、企業の健康保険組合や国民健康保険を運営する市区町村などに採用が義務づけられ、2008年4月より特定健診(特定健康診査)がスタートしました。
糖尿病や高脂血症、高尿酸血症などの生活習慣病の発症や重症化を予防するためには、 まずは自分の症状を自覚する・知ることが大切です。 糖尿病等の生活習慣病は、若い時からの生活習慣を改善することで、 その予防、重症化や合併症を避けることができると考えております。 生活習慣を見直すための手段として、特定健康診査が行われております。
メタボリックシンドローム
糖尿病、脳卒中、心筋梗塞、高脂血症などに代表される生活習慣病の患者は年々増加し、現在では国民医療費のおよそ30%を占めるにいたっています。これらの生活習慣病は個々の原因で発症するというよりも、肥満、特に内臓に脂肪が蓄積した肥満が犯人であると考えられています。内臓脂肪蓄積により、さまざまな病気が引き起こされた状態をメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)とよび、注目されています。
特定健康診査は、糖尿病や高脂血症、高尿酸血症などの生活習慣病の発症や重症化を予防することを目的として、メタボリックシンドロームに着目し、この該当者及び予備群を減少させるための特定保健指導を必要とする者を、的確に抽出するために行うものです。
メタボリックシンドロームになりやすい生活習慣
- 早食い・ドカ食い・ながら食いが多い。
- 就寝前の2時間以内に夕食をとることが週に3回以上ある。
- 夜食や間食が多い。
- 朝食を抜くことが多い。
- ほぼ毎日アルコール飲料を飲む。
- 睡眠で休養が得られていない。
だれもが危険を抱えている!
糖尿病、高血圧、脂質異常症、高血糖、心筋梗塞、狭心症、脳梗塞 などこれらの言葉を聞いても、まだ若いから大丈夫。元気だから大丈夫。と、思われる方も大半だと思います。
近年、糖尿病等の生活習慣病の有病者・予備群が増加しており、生活習慣病を原因とする死亡は、全体の約3分の1にものぼると推計されています。若いころからの生活習慣の積み重ねが、さまざまな病気へ繋がります。自分の健康を自分で守るために、危険のリスクがある事を知っておきましょう。
特定健康診査の項目
- 問診(生活習慣、行動習慣)
- 診察(理学的所見)
- 身体計測(身長、体重、腹囲、肥満度、BMI)
- 血圧測定
- 血液検査(肝機能・脂質検査・腎機能・血糖検査・・・等)
- 尿糖、尿タンパクの有無の検査
- 便ヒトヘモグロビン(大腸がん)
医師の判断で選択的に実施する項目
- 心電図
- 貧血検査
- 眼底検査
- 貧血検査
その検査内容は上記の通りで、従来の労働安全衛生法上の法定健診項目との比較では、まず腹囲が追加されています。この腹囲の基準として、男性が85cm以上、女性が90cm以上の場合、メタボリックシンドロームの基本要件を充たすこととなります。
そして、血液検査項目ではLDLコレステロール、HbA1c(グリコヘモグロビン)が必須項目として新たに追加され、総コレステロールが削除されています。また、胸部X線検査や喀痰細胞診が項目削除され、メタボリックシンドロームに特化している点も注目されます。
この特定健康診査では、実施した健診機関を問わず保険者はデータを一元管理し、リスクの高いものから優先的に保健指導を行うことが求められており、検査測定値の標準化を行うことが出来るようになっています。
特定保健指導
メタボリックシンドロームの診断基準に沿って複数のリスクを持つ受診者に対しては、医師、保健師、管理栄養士などによる特定保健指導が行われます。
当院でも、健診の結果そして患者さんお一人おひとりにあわせた、運動習慣・食生活の改善、治療・薬の処方、生活習慣の指導などをご提案させて頂きます。